建築設備計算建築設備計算

用語集

建築設備用語集

給排水・空調設備の設計でよく使う用語を、実務の視点でわかりやすくまとめました。各用語には、関連する計算ツールや解説記事へのリンクを付けています。

衛生設備(給排水)

同時使用率どうじしようりつ衛生
建物の衛生器具のうち、ピーク時に同時に使用される割合。器具数が増えるほど低下する。給水量や管径を過大に見積もらないために用いる。
同時使用率計算解説:同時使用率とは
器具給水負荷単位きぐきゅうすいふかたんいFU / Fixture Unit衛生
各衛生器具の給水特性を相対的な数値で表した単位。建物内の全器具のFUを合計し、給水量算定の基礎にする(例:洗浄弁大便器=8、洗面器=2)。
給水負荷単位による流量計算解説:給水設計の進め方
瞬時最大予想給水量しゅんじさいだいよそうきゅうすいりょう衛生
ピーク時に瞬間的に流れると予想される最大の給水量(L/min)。器具給水負荷単位の合計からハンターの方法で求め、管径・ポンプ・受水槽の算定の出発点になる。
給水負荷単位による流量計算
ハンターの方法ハンターのほうほうHunter's method衛生
器具給水負荷単位の合計から瞬時最大給水量を確率的に推定する手法・曲線。全器具が同時に使われない前提で、過大設計を避ける。
給水負荷単位による流量計算
給水方式きゅうすいほうしき衛生
建物への上水の供給方式。水道直結直圧式・直結増圧式・受水槽+ポンプ直送式・高置水槽式などがあり、建物規模や上水圧で選定する。
受水槽じゅすいそう衛生
上水をいったん貯える水槽。これを介して建物内へ給水する方式で用いる。容量は時間最大予想給水量などから決める。
高置水槽こうちすいそう衛生
建物の高所に設け、重力(位置水頭)で各階へ給水する水槽。ポンプで揚水して貯め、安定した水圧を得やすい。
ウォーターハンマーすいげきさようwater hammer衛生
弁の急閉などで流れが急に止まり、管内圧力が急上昇・脈動する現象(水撃作用)。騒音や配管・機器の損傷の原因になる。流速を抑える、水撃防止器を設けるなどで対策する。
塩化ビニルライニング鋼管えんかビニルライニングこうかんSGP-VA/VB/VD衛生
鋼管の内面(種類により外面も)に硬質塩化ビニルをライニングした管。鋼管の強度と樹脂の耐食性を両立し、給水・給湯で広く使われる。
解説:給水配管の材料選定
管端防食継手かんたんぼうしょくつぎて衛生
塩ビライニング鋼管のねじ接合で、切断面に露出した鋼を保護する継手(コア内蔵)。ねじ部からの「もらいさび」を防ぐ。
解説:給水配管の材料選定
硬質ポリ塩化ビニル管こうしつポリえんかビニルかんVP / HIVP衛生
管全体が硬質塩化ビニルの樹脂管。軽量・安価・耐食性に優れ、接着(TS)接合で施工する。耐熱性が低く一般のVP/HIVPは給湯には適さない。
解説:給水配管の材料選定
呼び径よびけいA衛生
配管サイズの呼称。15A・20A…のように表し、JISの管サイズに対応する。おおむねミリメートル相当だが、実内径とは一致しない。
流量から配管径の計算
クロスコネクションcross connection衛生
上水系統と、上水以外の系統(雑用水・機器など)が直接接続されること。逆流による上水汚染の原因となるため禁止されている。
トラップ・封水トラップ・ふうすい衛生
排水管に設ける水のたまり(封水)で、下水からの臭気や害虫の室内侵入を防ぐ仕組み。封水深が浅すぎたり破られると機能しない。
通気管つうきかん衛生
排水時に生じる管内の圧力変動を緩和し、トラップの封水が破られるのを防ぐために設ける管。排水を円滑にする役割もある。

空調・換気設備

等圧法とうあつほうequal friction method空調
単位長さあたりの摩擦損失(単位圧損)を経路全体で一定に保つようにダクト径を決める方法(定圧法・等摩擦法)。一般的なダクト設計で最も広く使われる。
ダクトサイズ計算解説:ダクト設計の基礎
等速法とうそくほうequal velocity method空調
ダクト内の風速を一定に保つようにサイズを決める方法。風速が一定で粉じん等が堆積しにくいため、厨房排気や局所排気に用いる。
解説:ダクト設計の基礎
静圧再取得法せいあつさいしゅとくほうstatic regain method空調
分岐で風速が下がる際に動圧が静圧に回復することを利用し、各吹出口の静圧をそろえるようサイズを決める方法。大規模・高速ダクトに適する。
解説:ダクト設計の基礎
単位圧損たんいあつそん空調
ダクト単位長さあたりの摩擦損失(Pa/m)。等圧法ではおおむね1.0 Pa/m前後を基準にし、静音重視なら小さく、省スペース重視ならやや大きくとる。
ダクトサイズ計算
アスペクト比aspect ratio空調
角ダクトの長辺/短辺の比。大きい(扁平)ほど同じ断面積でも周長が増え、摩擦損失・板厚・コストが不利になる。一般に2.0以下が望ましい。
ダクトサイズ計算
等価直径とうかちょっけいDe空調
角ダクトなどを摩擦損失計算上、円形ダクトに換算した直径。断面形状が異なるダクトの圧力損失を統一的に扱うために用いる。
スパイラルダクトspiral duct空調
帯状の鋼板を螺旋状に巻いて製作した丸ダクト。気密性・強度が高く、同じ断面積の角ダクトより摩擦損失が小さい。
ダクトサイズ計算
ガラリlouver空調
外気取入れ・排気に用いる羽根付きの開口(ルーバー)。雨水の侵入を抑えつつ通気する。羽根があるため有効に通気できる面積は外形より小さい。
ガラリサイズ計算解説:ガラリ選定の勘どころ
開口率かいこうりつ空調
ガラリの外形面積に対する有効開口面積の割合。羽根の形状・ピッチで決まり、製品によりおおむね30〜50%程度。防虫網を付けるとさらに小さくなる。
ガラリサイズ計算
面風速めんふうそく空調
ガラリの有効開口部を通る風速。大きすぎると圧力損失・気流音が増え、給気では雨水を巻き込む。給気3.0 m/s・排気4.0 m/s以下が一般的な目安。
ガラリサイズ計算
静圧・全圧・動圧せいあつ・ぜんあつ・どうあつ空調
全圧=静圧+動圧。静圧は管壁に作用する圧力、動圧は気流の運動エネルギーに相当する圧力。送風機の能力やダクトの圧力損失はこれらで評価する。
全熱交換器ぜんねつこうかんき空調
排気と給気の間で温度(顕熱)と湿度(潜熱)の両方=全熱を交換し、換気にともなう熱損失を回収する装置。省エネ換気に用いる。

共通・単位

mmAqミリメートルアクアmmH₂O共通
水柱ミリメートル。圧力の慣用単位で、1 mmAq ≒ 9.81 Pa。旧来のダクト・通気の圧力表記で使われ、SI(Pa)への換算が必要になる。
解説:単位換算早見表
冷凍トンれいとうトンRT共通
冷凍・冷房能力の単位。米国冷凍トン(USRt)は約3.517 kW(12,000 BTU/h)、日本冷凍トン(JRt)は3,320 kcal/h ≒ 3.861 kW で、定義が異なる。
解説:単位換算早見表
kcal/hキロカロリーまいじ共通
熱量・能力の慣用単位。1 kW ≒ 860 kcal/h。旧い機器の銘板やカタログでよく使われ、SI(kW)と併記されることが多い。
解説:単位換算早見表
馬力(PS・HP)ばりきPS / HP共通
動力の慣用単位。PS(仏馬力)は約0.7355 kW、HP(英馬力)は約0.7457 kWでわずかに異なる。日本で単に「馬力」といえば通常PSを指す。
解説:単位換算早見表
ダルシー・ワイスバッハ式Darcy–Weisbach equation共通
管路内の摩擦による圧力損失を求める基本式。摩擦係数・流速・管径などから損失を算出し、ダクトや配管の圧力損失計算で用いる。
ダクトサイズ計算
用語の考え方をより詳しく知りたい方は、解説記事もあわせてご覧ください。