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ガラリ(ルーバー)選定の勘どころ:面風速・開口率・雨仕舞い

ガラリは羽根があるぶん、見かけの面積すべてを風が通るわけではありません。面風速と開口率という2つの鍵を押さえれば、必要サイズの考え方が見えてきます。

最終更新:2026年6月30日・読了の目安 約7

ガラリは「見かけの面積」では設計できない

外気取入れや排気に使うガラリ(ルーバー)は、羽根(フィン)が並んでいるため、外形寸法どおりの面積を風が素通りするわけではありません。実際に風が通れる面積の割合を開口率といい、その有効開口を通る風速を面風速と呼びます。この2つを押さえることが、ガラリ選定の出発点です。

有効開口面積 = ガラリ外形面積 × (開口率 ÷ 100)
面風速 = 風量(m³/s) ÷ 有効開口面積

面風速は「上げすぎない」のが鉄則

面風速を上げればガラリは小さくできますが、代償として圧力損失と気流音が増え、給気では雨水の巻き込みリスクが高まります。雨天時に外気と一緒に雨滴が引き込まれると、チャンバー内の結露・ドレン・ダクト内汚染の原因になります。給気側で面風速を抑えるのはこのためです。一般的な目安は次のとおりです。

用途面風速の目安
給気ガラリ3.0 m/s 以下
排気ガラリ4.0 m/s 以下

公共建築(国交省機械設備工事標準仕様)等で用いられる代表的な目安。製品・条件により異なります。

給気側を排気側より低く抑えるのは、雨水巻き込みを避ける意味合いが大きいためです。海沿いや吹き付け雨の多い立地では、さらに余裕を見るか、防雨性能の高いガラリ(深形・水切り付き)を選びます。

開口率は製品のカタログ値で確定する

開口率は羽根のピッチ・角度・形状で決まり、製品ごとに異なります。一般的なガラリでおおむね30〜50%程度です。設計初期は 50% 程度を仮定して必要面積を概算し、採用製品が決まったらカタログの有効開口率(または有効開口面積)で再計算するのが安全です。防虫網・防鳥網を付けるとさらに有効開口が減るため、網のぶんの減算も忘れないようにします。

必要サイズ算定の流れ

  1. 必要風量と、用途に応じた面風速(給気3.0/排気4.0 m/s 以下など)を決めます。
  2. 風量 ÷ 面風速 で必要な有効開口面積を求めます。
  3. 有効開口面積 ÷(開口率÷100)で必要な外形面積に割り戻します。
  4. 幅×高さが必要外形面積以上になる標準寸法を、納まり(アスペクト比)を考慮して選びます。

計算例

風量 3000 m³/h、開口率 50%、面風速 2.0 m/s の給気ガラリの場合:

Q = 3000 ÷ 3600 ≒ 0.833 m³/s
有効開口面積 = 0.833 ÷ 2.0 ≒ 0.417 m²
必要外形面積 = 0.417 ÷ 0.50 ≒ 0.833 m²

必要外形面積 約 0.83 m² 以上を満たす標準寸法(例:1000×900mm など)が候補になります。

ガラリの先(チャンバー・ダクト)も合わせて考える

ガラリ単体だけでなく、その背後のチャンバーや接続ダクト、防火ダンパ(FD)・防虫網の納まりまで含めて検討します。チャンバーが狭いと偏流して有効開口を使いきれず、実質的な面風速が局所的に上がります。外壁の意匠ガラリと機能ガラリを兼ねる場合は、意匠上の見付け寸法と必要開口の両立も確認します。

開口率・防雨性能は製品仕様により大きく異なります。算定値は参考値とし、採用製品のカタログ値で必ず再確認してください。最終判断は設計者が行ってください。

よくある質問

開口率がわからないときはどうしますか?

設計初期は 50% 程度を仮定して必要面積を概算し、採用するガラリ製品が決まったらカタログの有効開口率(または有効開口面積)で再計算します。防虫網を付ける場合は、その減少ぶんも見込みます。

給気と排気で面風速の目安が違うのはなぜですか?

給気側は雨水の巻き込みを避けたいため、排気側より低い面風速(3.0 m/s 以下)に抑えます。排気側は雨仕舞いの制約が小さいので 4.0 m/s 以下程度まで許容されるのが一般的です。

面風速を上げて小さいガラリにしてもよいですか?

圧力損失・気流音が増え、給気では雨水巻き込みのリスクが高まります。スペースの制約でやむを得ず上げる場合は、防雨性能の高い深形ガラリの採用や、背後チャンバーでの水切り・ドレン処理をあわせて検討してください。

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